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2024/08/20
屋根葺き替え工事
屋根の劣化はなかなか気づきにくいことが多いですが、あまりに深刻な状態になると葺き替えを行うしかないことも。
葺き替えのメリットとデメリット、検討するタイミングの目安についてみていきましょう。
屋根リフォームの種類
屋根を長持ちさせるには劣化の症状を見極めた上で定期的なメンテナンスを行うことが大切です。
しかし見た目の変化に気づきにくいこともあり、メンテナンスを後回しにしてしまうこともあるかもしれません。
屋根の劣化が進んだり、衝撃などによって修理が必要になったりした場合、どのようなリフォーム方法があるのか。
塗り替えとカバー工法、葺き替え、それぞれの特徴を見ていきます。
塗り替え
塗り替えは屋根のリフォームの中でも一番手軽なリフォーム方法であり、下地がそこまで傷んでない場合に有効な方法です。
美観や機能性を維持するために定期的に塗装を行うようにしましょう。
塗装が必要ない屋根材の場合は、外壁塗装と同じタイミングで屋根の点検を行うようにすると安心です。
手間や費用がかかるためつい後回しにしてしまいがちですが、放置すると塗装だけでなく大規模なリフォームが必要になってしまう可能性もあります。
カバー工法
カバー工法とは、既存の屋根を撤去せずにそのまま新しい屋根材を上からかぶせる方法のことを言います。
下地は傷んでいなくても、屋根材が傷んでいるという場合に選ぶことができる工法です。
既存の屋根を撤去・廃棄する費用や手間がかからないため、費用や工期を抑えることができるのがメリット。
見た目が新しくなるだけではなく、屋根が二重構造になることから断熱性や遮音性といった性能が上がるのもポイントです。
葺き替え
屋根の葺き替えは、屋根材と下地の劣化が進んでいる場合にすべてを新しくする屋根リフォームのこと。
既存の屋根の撤去・廃棄が必要なので費用と手間がかかってしまいます。しかし新しい屋根材の種類を選ばないことや
下地の点検を同時にできることがメリットです。
葺き替えをしなくても良いように定期的な点検やメンテナンスを行うようにしましょう。
屋根の葺き替えのメリット
屋根の葺き替えは、屋根の劣化が深刻な場合に選ばれることが多いですが、リフォーム方法として葺き替えを選ぶことにメリットもあります。
寿命を延ばせる
葺き替えメリットとして、家の寿命を延ばせることがあげられます。
屋根の塗り替えやカバー工法では屋根材の内部まで確認することはできませんが、葺き替えは屋根材だけでなく野地板や防水紙など下地まで新しくするケースが多いためです。屋根材の劣化が気になっていても、内部がどうなっているのかまで
素人が判断するのは難しいですよね。葺き替えのタイミング内部を確認できるため、家の寿命を延ばすことができる点が
メリットだと言えます。屋根が新築のときと同じような状態になるため、雨風や紫外線などから守ってくれる機能も蘇ります
葺き替えを行ったあとは定期的なメンテナンスを怠らず、さらに寿命を延ばせるように意識することをおすすめします。
耐震性が高める
屋根の葺き替えを行う場合、既存の屋根材と同じものを選ぶこともできますが新しく別の屋根材を選ぶこともできます。
重い屋根材から軽い屋根材に変えると、耐震性を高めることができます。
昔ながらの住宅にお住まいで、屋根材が瓦屋根だという場合は、他の屋根材に変えることで耐震性がかなり高まります。
地震によって瓦が落ちてしまったり倒壊してしまったりするケースもありますので、万が一に備えて、メンテナンスのタイミングで葺き替えを検討してみてもいいかもしれません。
家の外観を新しくできる
家の外観を新しくできることも葺き替えのメリット。家を建ててから数年が経つと、少し飽きが出てくる人もいるかもしれません。屋根や外壁の塗り替えでも印象を変えることはできますが、屋根の葺き替えは屋根材ごと変わるため色だけでなくデザインや素材も変わりますよね。家の外観を新しくしたいと思っている人は、劣化の度合いとのバランスを見た上で葺き替えを検討するのも良いかもしれません。
屋根の葺き替えのデメリット
費用がかかる
屋根の葺き替えを行うと費用がかかってしまうのがデメリット。塗り替えだけで済む場合やカバー工法を行う場合と比べて、既存の屋根の解体や撤去費用も加算されるためです。他のリフォーム方法よりも工期が長くなることから人件費が増えるのも理由の一つ。屋根は外壁と比べて全貌を目にすることが少ないため、劣化に気付きにくいですよね。気付いたときには深刻な状態になってしまっていた……といったことも。葺き替えには費用がかかるとはいえ、劣化が進んだ屋根を少しずつ修理していくよりも一気に葺き替えた方がトータルコストを抑えられる場合もあるため、どの方法を選ぶか冷静に検討するようにしましょう。
工事中に雨が降ると雨漏りのリスク
屋根の葺き替えは工期が長くなることが多いということをご紹介しましたが、工事中に雨が降ると雨漏りのリスクがあります。葺き替えは一時的に屋根がない状態になるためです。天気予報をチェックした上で雨の対策をしていれば問題ありませんが、雨漏りのリスクがあることは頭に入れておいた方が良いかもしれません。
屋根に廃材がでる
葺き替えは既存の屋根の解体・撤去を行うため、ホコリや破片などが舞ってしまうことも。工事中、防塵対策のメッシュシートがかかってはいますが、ホコリなどが舞う可能性はゼロとはいえません。廃材によって近隣トラブルになることのないよう、工事前の挨拶や対策を十分に行うようにしましょう。
屋根材ごとの葺き替えのタイミング
屋根材にはさまざまな種類がありますが、大きく分けると3種類。それぞれの特徴と屋根材ごとの葺き替えのタイミングを紹介します。
瓦屋根
瓦屋根は昔ながらの日本の家でよく見る屋根材であり、粘土系とセメント系の2種類に分けられます。粘土瓦は、基本的に塗装の必要がなく耐用年数も40~60年と長いのが特徴であり、塗装の必要がありません。リフォーム方法としては、部分的な補修か葺き直し、葺き替えが選択肢となります。全体的な傷みがなく部分的に欠けたりずれたりしている場合は漆喰の詰め直しなどの部分的な補修を行うことになります。葺き直しは、既存の瓦を一度撤去し、下地を補強した上で既存の瓦を葺き直す方法。葺き替えは瓦以外の屋根材にも葺き替えることができます。セメント瓦は塗装によるメンテナンスが必要ですが、劣化が進んだ場合は葺き替えを行うことになります。雨漏りが起こったり屋根材の下地部分が腐食していたりすると葺き替えのタイミングだといえます。
ストレート屋根
スレート屋根は天然スレートと化粧スレートの2種類に分けられますが、一般的にスレート屋根として使用されているのは化粧スレート。天然スレートは粘板岩を板状に加工したものであり、高級感のある風合いが特徴ですが、価格が高いことからあまり普及していません。一般的に使用されている化粧スレートはセメントと繊維質を混ぜて板状に加工したもので、デザイン性の高さが特徴。重量が軽く価格も安いことから、日本の住宅における普及率がナンバーワンの屋根材となっています。
スレート屋根の耐用年数は約20年であり、7~10年が塗装時期の目安となります。スレート自体に防水性がなく、塗装によって防水効果を生むため、定期的な塗装が性能維持の秘訣です。塗装時期の目安である7~10年が経っていなかったとしても、劣化の症状が見られたときは塗装を検討するようにしましょう。またひび割れや反り、チョーキング現象が見られたら葺き替えの時期かもしれません。
金属屋根
金属屋根はトタンやガルバリウム鋼板、銅板に分けられますが、一般的な住宅で使われるトタンやガルバリウム鋼板について知っておきましょう。トタンは亜鉛でメッキ加工した金属製の屋根のことであり、価格が安いことや軽量であることがメリット。しかし耐用年数が短いことや錆びやすいこと、断熱性・防音性が低いことなどデメリットが多いため使用する家が減ってきています。トタン屋根をリフォームする場合、色褪せやチョーキングといった軽めの症状であれば塗装、重度のサビや穴が空いている場合にはカバー工法や張り替えを行うのが一般的です。屋根材としての強度を保てないほどサビが発生している場合には張り替えを選ぶようにしましょう。
ガルバリウム鋼板は軽量で耐震性に優れているのが特徴で、耐用年数は20~30年といわれています。塗膜の劣化や色褪せといった初期症状しか出ていない場合は塗装によるメンテナンスを行います。ガルバリウム鋼板は金属製でありながらサビが発生しにくいのが特徴ですが、サビが発生しているときには塗装の前にサビを落とす必要があります。サビや腐蝕によって屋根自体に穴が開いてしまったようなときには葺き替え工事を行うようにしましょう。
まとめ
屋根は高さがあるため、なかなか全貌を目にすることができませんよね。そのため気付いたときには劣化が進んでしまっていた……といったことも。リフォーム方法には塗り替えとカバー工法、葺き替えの3種類がありますが、葺き替えのメリットとデメリットを考慮した上で検討するようにしましょう。