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耐震補強工事

手に持った家の小さな模型と震度

 

地震の強弱を示す指標として使われているのが、マグニチュードと震度の2つです。地震速報などを見ていても、マグニチュードと震度はセットで報じられますが、この2つには比例関係があるのでしょうか。

この記事では、過去に発生した大地震の事例と照らし合わせながら、マグニチュードと震度が比例するのかを解説します。日本国内では、いつどこで巨大地震に襲われるか分かりません。マグニチュードや震度の高い地震に備える対処法と併せて、確認しておきましょう。

 

マグニチュードと震度は比例するのか

大きなはてなマーク

 

地震の規模を示す指標として、マグニチュードと震度の2つが使われています。日本で暮らしていると、どちらの言葉も頻繁に耳にしますが、この2つはどのように違うのでしょうか。比例関係について詳しく解説する前に、まずはマグニチュードと震度の違いを解説します。

 

マグニチュードとは

マグニチュード(M)とは、地震の規模を示す数値のひとつです。地震そのもののエネルギーを示しており、数字が高ければ高いほど強い地震になります。マグニチュードが1増えるごとに、地震のエネルギーは32倍になるため、マグニチュード6とマグニチュード8では1,024倍もの違いが生まれます。

 

マグニチュードは「強震計」をもとに算出される

マグニチュードは全世界で使われる指標ですが、日本国内では気象庁が計測した「気象庁マグニチュード」が使われることが一般的です。気象庁マグニチュードは、周期5秒までの揺れを観測する「強震計」をもとにして数値を算出しています。

 

マグニチュードは6段階に分かれる

マグニチュードは6段階に分かれており、数値に応じて以下のように地震の規模が決まります。

 

【マグニチュードと地震の規模の比例】

マグニチュード8~ 巨大地震
マグニチュード7~ 大地震
マグニチュード5~7 中地震
マグニチュード3~5 小地震
マグニチュード1~3 微小地震
マグニチュード1未満 極微小地震

 

震度とは

震度とは、地震による揺れの大きさを示した指標です。ひとつの地震においてマグニチュードの数字は変わりませんが、震度は地域によって異なり、基本的には震源地に近いほど震度が強くなります。震度は日本独自の基準で決められており、正式名称は「気象庁震度階級」です。

 

震度は「計測震度計」により算出される

震度は、日本全国に設置されている「計測震度計」により算出されます。1996年までは、観測員の体感をもとにした主観で震度が決められていましたが、現在は機械化により精度が高まりました。1923年に発生した関東大震災は震度6とされていますが、現在の基準ではより大きな震度になるとされています。

 

震度は10段階で決まる

震度は10段階で決まります。震度ごとの特徴を表にまとめました。

 

【震度ごとの特徴】

震度0 人間が揺れを感じない
震度1 わずかな揺れを感じる場合がある
震度2 屋内で静かにしていると多くの人が揺れを感じる
震度3 屋内にいる人の大半が揺れを感じる
震度4 電灯が揺れたり、置物が倒れたりすることがある
震度5弱 棚の食器や本が落下したり、不安定な家具が倒れたりする場合がある
震度5強 ブロック塀が崩れることがある
震度6弱 瓦が落下したり、建物が傾いたりする可能性がある
震度6強 耐震性が低い木造住宅が倒壊・崩壊することがある
震度7 耐震性が低い鉄筋コンクリート造の建物が倒壊・崩壊する場合がある

 

過去に発生した大地震からマグニチュードと震度の比例関係を解説

比例

 

マグニチュードと震度は、いずれも地震の強弱を表す数値ですが、この2つは比例するのでしょうか。日本国内で発生した過去の大地震に当てはめて、マグニチュードと震度の比例関係を見てみます。

 

【マグニチュードと震度の比例関係】

地震 マグニチュード 最大震度
新潟県中越沖地震 6.8 6強
東日本大震災 9 7
熊本地震 7.3 7
北海道胆振東部地震 6.7 7
令和6年能登半島地震  7.6(暫定値) 7

 

【結論】マグニチュードと震度は必ずしも比例しない

結論として、マグニチュードと震度は必ずしも比例しません。先ほどの一覧表を比較すると、新潟県中越沖地震がマグニチュード6.8、最大震度6強だったことに対して、北海道胆振東部地震はマグニチュード6.7、最大震度7でした。

マグニチュードは、あくまでも地震の最大エネルギーを示す数値です。一方で、震度は震源地から離れるほど小さくなります。このため、マグニチュードが高いからといって、必ずしも震度が高くなるとはいえません。

 

マグニチュードや震度の高い地震に備えるために大切な4つのこと

地図を広げて指さす様子

 

マグニチュードと震度は比例しませんが、いずれも高ければ高いほど危険性の高い地震であることは確かです。国土交通省が2020年4月に公表した研究結果によると、今後30年以内にマグニチュード8~9クラスの南海トラフ地震が発生する確率は、70%~80%とされています。

それでは、強い地震に備えるために大切なこととは何なのでしょうか。とくに重要なポイントとなるのは、以下の4つです。

 

<マグニチュードや震度の高い地震に備えるために大切な4つのこと>

  • 耐震診断を受診して建物の状態を把握する
  • 必要に応じて耐震補強工事を行い建物の強度を高める
  • 避難場所を確認しておく
  • 地震対策と同時に火災対策も行う

 

順番に解説します。

 

耐震診断を受診して建物の状態を把握する

まずは、耐震診断を受診しましょう。
新築時に十分な耐震性を持たせた住宅でも、経年劣化などにより耐震性が低下する場合もあります。耐震診断では、住宅の内外を専門家が細かく分析し、建物の現在の耐震性を正確に診断できます。

 

必要に応じて耐震補強工事を行い建物の強度を高める

耐震精密診断の結果により、耐震性能が不十分と判断された場合は、耐震補強工事で地震対策を行ってください。旧耐震基準の住宅だとしても、新耐震基準、もしくは現行の耐震基準(2000年基準)を満たす住宅へと改善できます。

 

避難場所を確認しておく

地震が自然災害である以上、耐震補強を十分に施したとしても、倒壊を100%防げるとは断言できません。また、建物は余震など、繰り返しの地震に弱い傾向にあります。いざというときに避難して命を守れるよう、平常時に安全な避難場所と避難場所へのルートを確認しておきましょう。

 

地震対策と同時に火災対策も行う

震災時には、火災による被害も多発するため、地震対策と火災対策を並行することも大切です。「住宅用火災警報器を設置する」「普段使っていない電化製品のプラグをコンセントから抜いておく」など、火災の予防・早期発見対策を徹底しましょう。

 

まとめ

マグニチュードと震度は、必ずしも比例するとはいえません。しかし、いずれも数値が高いほど、危険な地震であることは確かです。マグニチュード8~9クラスの南海トラフ地震は、30年以内に70%~80%の確率で発生するといわれています。住宅の耐震性を高めるなどの対策が必要です。

耐震精密診断や耐震補強工事は、アーバンリフォームにお任せください。完璧に近い耐震補強を行うだけでなく、ご予算に応じた「減災」を目指す耐震補強も承ります。家族の命を守れる住宅の創造に向け、ノウハウをフル活用してお客様に貢献いたします。