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耐震補強工事

家の骨組み模型

 

地震に強い建物をつくるための構造として用いられるのは「免震」「制震」「耐震」の3種類です。その中でもとくに新しい構造として注目されているのが免震ですが、免震構造にはメリットだけでなくデメリットも含まれます。

今回は免震構造とはなにか、揺れを抑える仕組みを解説した上で、免震構造のデメリットをご紹介します合わせて、免震構造のメリットや免震装置の種類、現在の建物の耐震性を改善する方法もご確認ください。

 

免震構造とは

免震ダンパー 男性

 

免震構造とは、建物と地盤の間に免震装置を設置して、地震による揺れの衝撃を緩和させる工法です。地面に対して建物が密着しないため、地震のエネルギーが建物に伝わりにくくなり、建物へのダメージや揺れを抑えやすくなります。

 

免震構造のデメリット

画期的な仕組みで地震に備えられる免震構造ですが、以下のようなデメリットもあります。導入する前の注意点として確認しておきましょう。

 

<免震構造のデメリット>

  • 縦揺れに弱い
  • 強風が吹くと揺れやすい
  • 高額なコストがかかる
  • 免震装置はリフォームで後付けできない
  • 耐用年数を実証できていない
  • 地下室をつくれない

 

縦揺れに弱い

免震構造は横揺れに強い一方、縦揺れに弱いことがデメリットです。免震構造で使われる免震装置は、水平方向の揺れを吸収する装置であり、垂直方向の揺れには対応できません。免震構造が未導入の住宅よりは縦揺れを抑える効果は期待できますが、縦揺れへの弱さは免震構造の弱点です。

 

強風が吹くと揺れやすい

台風などの強風が吹いたときに建物が揺れやすいことも免震構造のデメリットです。建物を地盤から切り離すのが免震構造の仕組みなので、不安定な足元を強風が襲うと大きく揺れてしまいます。構造上の問題はありませんが、人によっては恐怖を感じたり、気持ち悪くなったりするかもしれません。

 

高額なコストがかかる

免震構造は、耐震構造や制震構造と比較して導入コストが高額です。また、新築から5年後と10年後、その後は10年に1度のペースでのメンテナンスが推奨されています。建築費やランニングコストをできるだけ抑えたい方には、免震構造は不向きと言えるでしょう。

 

免震装置はリフォームで後付けできない

免震構造に用いる免震装置は、建物の基礎部分に設置するため、新築でなければ工事が難しいです。既存の住宅を移動させたり、地面を掘り下げたりすれば免震構造へのリフォームができますが、高額なコストがかかるほか、工期も長引いてしまいます。

 

耐用年数を実証できていない

免震装置に使われるゴムの耐用年数は60年以上とされています。しかし、免震構造は比較的新しい工法のため歴史が浅く、耐久性についてはまだまだ実証が足りていない面があります。

 

地下室をつくれない

地面と建物の間に免震装置を設置する都合上、地下室をつくれないことも免震構造のデメリットです。また、免震装置の揺れ幅分を空けておかないといけないため、建物の周囲には多少のスペースが必要になります。免震構造の導入を望んだとしても、これらの問題のため実現できない可能性もあるので覚えておきましょう。

 

免震構造のメリット

制振装置

 

ここまで免震構造のデメリットを解説してきましたが、もちろん免震構造には、他の構造にはないメリットがあります。ここからは、免震構造のメリットをご紹介します。

 

<免震構造のメリット>

  • 家具や家電が転倒しにくい
  • 新築時の耐震性能を維持しやすい
  • 柱や梁を減らして設計できる

 

家具や家電が転倒しにくい

免震構造を導入した建物は揺れにくく、震度5以上の強い地震でなければ地震の揺れを実感しにくいのは大きなメリットです。建物全体だけでなく、室内の揺れもしっかりと防ぎます。家具や家電が転倒しにくいため、在宅中に大地震に襲われても家具などの下敷きになりにくく、ケガをするリスクが抑えられます。

 

新築時の耐震性能を維持しやすい

地震の揺れによるダメージが建物に伝わりにくいため、建物の耐震性能を新築時のまま維持しやすいことも免震構造のメリットです。免震構造を導入していない場合、建物には過去の地震や台風などのダメージがどうしても蓄積されてしまいます。そうすると建物は劣化し、耐震性能も少しずつ失われてしまいます。

 

免震構造で使われる免震装置

免震構造で用いられる免震装置は、「アイソレータ」と「ダンパー」の2つの装置で構成されています。それぞれがどのような役割を担っているのかをご紹介しましょう。

 

<免震装置を構成する装置>

  • アイソレータ
  • ダンパー

 

アイソレータ

アイソレータ(免震支承)は、建物を支えながら水平方向に変形し、地震の揺れを軽減させます。建物の構造により、以下の3種類が使い分けられています。

 

【アイソレータの種類】

種類 特徴
積層ゴムアイソレータ ゴムと銅板が交互になるように重ねられた構造
すべり支承 基礎との間に特殊なすべり材を挟み込んだ構造
転がり支承 レールの上にベアリングを載せた構造

 

ダンパー

ダンパー(免震ダンパー)は、地震の揺れを吸収して建物の揺れを抑えます。以下のように、材料によって免震を実現させる構造が異なります。

 

【ダンパーの種類】

種類 特徴
鋼材ダンパー 金属のバネの力を利用して地震のエネルギーを抑え、建物のズレを解消させる
鉛ダンパー 鉛の柱が持つ粘性を活用して地震のエネルギーを抑える
オイルダンパー シリンダーに封入したオイルの粘性を活用して地震のエネルギーを抑える

 

免震工事が不可能でも耐震補強工事で耐震性を改善できる

耐震構造

 

住宅の耐震性を向上させるために免震構造を導入したいと考えている方は多いでしょう。しかし先述したとおり、免震構造は構造上の問題により、リフォームで付け足すのが難しい工法です。予算や工期の問題により、免震工事の依頼を断念する方も多くおられます。

そんな場合におすすめできるのが「耐震補強工事」です。耐震補強工事では、強い壁をバランスよく増やしたり、柱・土台・梁などを金物で補強したり、土台をアンカーボルトで締め付けたりして耐震性を高めます。これは低コストでも耐震性を向上させられる工法なので、ご自宅の耐震性に不安をお持ちの方は、耐震補強工事を検討してみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

免震構造のデメリットは「縦揺れに弱い」「強風が吹くと揺れやすい」などです。また、リフォームによる導入が難しいことも把握しておかなければなりません。免震工事に代わる地震対策としておすすめできるのが「耐震補強工事」です。

アーバンリフォームでは、専門の資格を有するスタッフが耐震診断を行い、耐震補強工事の必要性を慎重かつ正確に判断します。ご自宅に地震対策が必要かどうかを確認するためにも、まずは当社にご相談ください。